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英語教育法

Teaching English (as a foreign languge)

 

 外国語(英語)の教員免許を取得するための必修科目です。私のクラスの履修者は主にロシア語・中国語・スペイン語専攻の学生と英語専攻2年生です。

 

 このコースは、理論と実践を往還しながら進みます。ほぼ毎回、学習理論や教授法についてのディスカッションとミニ・ティーチングを行います。理論は応用するものではなく、実践するものです。「理論なんて何の役にもたたない!」という結果に陥らないように、実践的に理論を学び、理論を使って実践を変えていきます。

 

 どの学生も年に3~4回、模擬授業を行います。模擬授業をして課題を浮かびあがらせ、それを次の模擬授業につなげる、、、というサイクルを作っています。このために、徹底して振り返りを行います。また、模擬授業後のディスカッションでは、授業理解や授業改善に役立つような質問・コメントのしかたも練習します。模擬授業の前に、希望者に「助言セッション」を提供しています。( ⇒research )

授業の風景(模擬授業後のディスカッション)

大学の教員養成課程の授業は、教職志望者の成長に役立つのか?

・・・という問いについて、現在、教師教育研究の議論はわかれています。

それでも、講義で理論を学ぶだけでは実践に生かされないという点では、だいたい意見が一致しているようです。

 

2014年度後期15週のあいだに、学生たちはどう成長したのか。

ちょっとした仕掛けをして、1週目と15週目に田尻悟郎先生の授業ビデオを部分的に視聴しながら、受講生1人1人に自己分析してもらいました。

その中から、文章として読みやすいものを、いくつか紹介します。(学生たちの了承を得て、転記しています。)

 

◎4か月前と比べて、授業や学習についての考え方がどう変わったか

 

理想の授業としては、「楽しいからこそ記憶に残る授業」を目指したいという思いは変わりませんが、4か月間、授業中のアクティビティや模擬授業を通して、考える過程により注目できるようになったと思います。どうやったら生徒に楽しんでもらえるか、「知りたい」という気持ちを刺激することができるか・・・考えに考えて、計画を立て、試して、ふり返る過程、他人からの指摘を以前より素直に聞いて考えることができるようになったと思います。(Sさん)

 

教える内容は同じでも、教え方は無限にあると思うようになった。「どんな力をつけてほしいか」によってフォーカスが変わる。その力がつくような方法で教えなければ、学習の目的や意味が不明瞭になり、授業時間の無駄になる。(Hさん)

 

授業の展開だけでなく、今回は教師としての構えなども詳しくメモし[ながらビデオを観]ていました。また、前回[4か月前]よりも、この授業を肯定的に見ているように感じます。以前は、自分が中・高のときに受けた授業[の記憶]に引きずられて、「実際には毎時間ゲームを入れるわけにはいかないだろう」「生徒に答えさせようとしても、できる子が答えて終わりだ」と思っていました。でも、ゲームという形でなくても授業を工夫して、生徒が楽しめるような要素を入れることは無理ではないと、今は感じます。現代の英語教育には、従来の型に縛られすぎない、新しいクリエイティブな活動が求められていると思います。(Aさん)

 

[今回は]授業のアクティビティやウォームアップの役割や、その内容にどのような意味があるのか、ということに視点を合わせてビデオを見ていたことに気づいた。「どのような授業」ではなく、「どうすればよいか」に重きを置くようになった。「どのような」という大前提の理想はあるが、前までは「じゃあ、どうすれば・・・?」についての考え方が甘かった。(Iさん)

 

英語教育法で学んだ理論をとおして授業を分析できるようになり、一つひとつの活動が何を目的としていて、どのような意図に基づき、授業はどう計画されていたか、見えるようになりました。たとえば、4か月前はただ自発的に[生徒が]行動できる授業がいいなと思っていましたが、今では、それは生徒の内発的動機付けを生かしているからであり、プレ活動で工夫がされていることや生徒へのフィードバックが意図的にされているということが見えてきて、その大切さを認識しました。(Yさん)

 

生徒1人1人とクラス全体の両方をしっかりと「見れる」教師になりたい。授業では、生徒に「英語は楽しい!もっとやりたい!」と思ってもらえるような工夫を研究していきたい。多くの人からヒントをもらい、アイディアを繋ぎ合わせ、新しいもの創造できるよう、貪欲な姿勢を持つことが、いま必要なことだと思う!(Hさん)

全4期必修になった「英語科教育法」で何ができるか?

 

これまで全2期しかなかった「英語科教育法」の授業が、2019年から「基礎」2期と「応用」2期、つまり2倍になりました。英語教員に求められる知識や技術が多様化・高度化し続ける現在、これは当然のことと言えます。それでも、必要最低限の知識・技術を4期だけで教えられるわけがないのですが。

この4期をいかに最大限に生かすか... これを意識して戦略的に教育活動に取り組みたいと思っています。

この先、試行錯誤しつつ調整を続けていきたいと思っていますが、各期の内容を有機的に関連付けて全体としての調和を確保するために、現在は次のように授業を組み立てて実施しています。

​【基礎A】Focus on Form方向に修正したPPP

      文法指導と発音指導

      2回の模擬授業とビデオ視聴を伴うふり返り

      英語教師とは

【基礎B】Task-Based Language Teaching (TBLT)

      知識と技能の統合的活用

             1回の模擬授業、指導案作成、ふり返り

      評価法とテスト作成

【応用A】Project-Based Learning (PjBL)

      教材開発プロジェクト(試用・修正の循環)

             言語活動中の談話と分析方法

      主体的・対話的で深い外国語の学び

【応用B】ワークショップ型授業

      ファシリテーションとフィードバック

      ホリスティックな外国語学習

      教育実習に向けて

応用Aの教材開発プロジェクトから

   このプロジェクトは、

「企画書」提出 ⇒ 試用と分析 ⇒ 「中間報告書」提出

  ⇒ 試用と分析 ⇒ 「最終報告書」提出

                  というように、

  学期を通して循環的プロセスを辿りながら、英語教育に

  ついて体験的に理解を深めます。学生たちの「最終報告

  書」をぜひご覧ください‼ (学生の許可を得て掲載)

​ ☆2021年度Speaking教材開発プロジェクト 

   CLICK ⇒ A.K.さんの​最終報告書

     CLICK ⇒ A.S.さんの最終報告書

     CLICK ⇒ Y.S.さんの最終報告書 

     CLICK ⇒ R.K.さんの最終報告書

 ☆2022年度Reading教材開発プロジェクト 

     CLICK ⇒ H.T.​さんの最終報告書

     CLICK ⇒ M.I.​さんの最終報告書

 ☆2023年度ワークショップ型授業プロジェクト 

     CLICK ⇒ T.K.​さんの実施報告書

 ☆2023年度Reading教材開発プロジェクト

     CLICK ⇒ M.Y.​さん&K.M.さんペアの最終報告書

     CLICK ⇒ H.A.​さんの最終報告書

     CLICK ⇒ Y.R.​さん&T.A.さんペアの最終報告書

     CLICK ⇒ K.M.​さん&S.K.さんペアの最終報告書

     CLICK ⇒ K.T.​さんの最終報告書

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